「将来は海外で活躍したい」「卒業後にオーストラリアでの就職も視野に入れたい」— そんな夢を持つ日本の高校生にとって、オーストラリアの大学は魅力的な選択肢です。しかし、「日本の高校を卒業したら、どうやってオーストラリアの大学に入学するんだろう?」「どれくらいの英語力が必要なの?」と、具体的な入学条件や手続きに不安を感じる方も多いでしょう。
この記事では、オーストラリアの大学へ入学するために必要な条件を、英語・学力・そして進学ルート別に分かりやすく解説します。
オーストラリアの大学へ入学するために!クリアすべき2つの必須条件
オーストラリアの大学へ入学するために、留学生がクリアしなければならない条件は、大きく分けて以下の2つです。どちらの条件も、希望する大学や学部によって求められるレベルが異なります。
- 英語条件(English Requirement):IELTSやTOEFLなどの英語テストのスコア
- 学力条件(Academic Requirement):高校の成績
入学条件①:オーストラリア大学進学に必要な英語力(English Requirement)
オーストラリアの大学の授業は全て英語で行われるため、入学前に一定以上の英語力を証明する必要があります。これは、オーストラリアの大学で授業内容を理解し、現地の学生とディスカッションに参加するための最低限の条件です。
オーストラリアの大学の直接入学に必要なIELTS・TOEFLスコア目安
多くの大学が入学条件として要求する英語テストは、主にIELTS(アイエルツ)またはTOEFL iBTです。特にIELTSはオーストラリアで最も広く受け入れられています。
進学先 | IELTS(Academic) | TOEFL iBT | 求められる英語のイメージ |
一般的な学部(ビジネス学部など) | 6.5(各セクション6.0~) | 79-93点 | 専門的な内容の理解、ディスカッション能力 |
看護・医療系学部など | 7.0~(各セクション7.0~) | 94-101点 | 高いコミュニケーション能力、安全性が求められる分野 |
【注意!】
目標とする大学・学部が決まったら、必ず公式ウェブサイトで正確な条件を確認しましょう。上記より高い場合・低い場合があります。また、オーストラリアの「G8(Group of Eight)」と呼ばれるトップ8大学や、医療、教育、法律といった専門性の高い学部では、非常に高い英語力が求められます。
入学条件の英語力が不足している場合のEAP(進学準備英語コース)活用法
上記の英語スコアが入学条件にわずかに届かない場合、オーストラリアの大学や提携している語学学校が提供するEAP(English for Academic Purposes:進学準備英語コース)を活用することで、英語スコアなしでダイレクトに大学へ入学が可能です。
EAPコースは、アカデミックな環境で必要な「レポート作成」「プレゼンテーション」「文献の読解」といったスキルに特化した英語学習コースです。このEAPコースで指定された成績を修了すれば、IELTSなどのスコアを再度取得する手間なく、そのまま進学できます。日本の高校卒業後、オーストラリアの大大学進学を目指す方の多くががこのルートを利用しています。
入学条件②:オーストラリアの大学進学に必要な学力条件
オーストラリアの大学に留学生として入学する場合、基本的に日本の大学のような入学試験はなく、英語力+高校の成績で審査されます。学力条件は高校の成績によって評価、審査が行われますが、オーストラリアの多くの大学で、日本の高校を卒業すれば学力条件はパスできるケースが多いです。(一部特殊な学部やTOPの大学を除く)
IB(国際バカロレア)コースなどの特別なコースでない場合、ファウンデーションコースを挟まなければいけないと考えている方も多いですが、実際には日本の高校卒業後に直接Bachelor(学部)に進学するケースや、Diploma(カレッジの学位)を経由してBachelorに2年次編入というケースもあります。
ただ、高校の成績に応じて返済不要の奨学金(学費の10~20%)を免除する制度を行っている大学が多いので、高校の成績をなるべく高く保っておくことは重要です。
オーストラリアの大学へ進学!タイプ別「進学ルート4つの種類」比較
オーストラリアの大学は、日本の高校を卒業した留学生向けに、英語力や学力レベルに応じた複数の入学ルートを用意しています。あなたの目標や現在の条件に最適なルートを見つけましょう。
ルート | トータル期間(目安) | 必要な英語力 | 向いている人 |
①学部に直接入学 | 約3年間 | IELTS6.5程度 | ・英語条件と学力条件を共にクリアしている方 |
②ファウンデーションコース→学部入学 | 約4年間 | IELTS5.5~6.0程度 | ・学力条件を満たしていない方(学力条件の高いTOP大学を志望している方) |
③ディプロマ→学部編入 | 約3年間 | IELTS5.5~6.0程度 | ・直接入学よりも学費を抑えたい方 ・IELTSスコアが学部の基準に達していないがディプロマの基準には達している方 |
④英語コース→①~③のいずれか | 英語力による | 条件なし | ・IELTSスコアが基準に達していない方 |
ルート①:大学へ直接入学(Direct Entry)するための条件
日本の高校の成績で学力条件を満たすことができ、かつ高い英語力(IELTS 6.5など)の条件をクリアしている場合の最短ルートです。
- メリット:
・最短期間(学部3年間)で卒業が可能。 - デメリット/リスク:
・現地学生と同じスタートで、アカデミック英語や現地の学習スタイルに慣れるのに苦労する可能性がある。
・入学条件が厳しく、出願できる高校生が限られる。
ルート②:ファウンデーションコース経由で大学へ入学
日本の高校教育とオーストラリアの大学教育のギャップを埋めるための準備コース(ファウンデーションコース)を挟んでから学部入学を目指すルートです。大学で専攻する分野の基礎科目を履修します。
- メリット:
・入学条件が比較的緩やか。
・アカデミック英語や学習スキルを事前に身につけられる。 - デメリット/リスク:
・大学の3年間+約8ヶ月〜1年間の期間と費用が必要。
ルート③:ディプロマコース経由で大学へ編入学
大学1年次レベルの専門知識をカレッジなどで集中的に学び、修了後、提携大学の2年次に編入するルートです。これは大学1年次を免除される形になるため、トータルの通学期間は直接入学と変わりません。また、入学条件は学部に直接入学よりも易しい基準となっています。カレッジのコース(Diplomaコース)の学費は学部の1年分の学費より安い傾向にあり、学費を抑えたい方にも人気のルートです。
- メリット:
・3年間で卒業できる。
・学部に直接入学よりも入学基準が易しい。 - デメリット/リスク:
・ディプロマコース経由での入学を認めていない大学、コースもある。
※高校の成績が非常に高い場合は、学部に直接入学する方対象の奨学金活用の方が、学費を抑えられるケースがあります。
ルート④:英語コース経由で大学へ入学
大学や進学ルート(①〜③)に必要な英語力条件に満たない場合、語学学校の一般英語コースやEAPコース(進学準備コース)を受講してから、各進学ルートに進む方法です。
- メリット:
・現地で集中的に英語力を高められる。
・日本での英語学習が不安な方でも確実に入学を目指せる。 - デメリット/リスク:
・語学学校の期間次第で、全期間・期間が長くなる。
オーストラリアの大学へ入学する際の出願書類と費用
具体的な進学ルートを決めたら、いよいよ出願準備です。ここでは、出願時に必要な書類と、気になる費用について解説します。
大学出願に必要な入学書類チェックリスト
出願に必要な主な書類は以下の通りです。オーストラリアの大学に出願する際は、基本的に全て英文での提出が求められます。日本の高校から発行してもらう書類は、必ず日本語と英語の両方で用意してもらいましょう。
- 最終学歴の成績証明書(英文と和文)
- 最終学歴の卒業証明書または卒業見込み証書(英文と和文)
- 英語力証明書(IELTS、TOEFLなどのスコア ※取得している場合)
- パスポートのコピー
- (一部大学・学部):自己推薦文(Personal Statement/Statement of Purpose)、ポートフォリオ(美術系など)
※上記書類はデータでの提出となりますので、綺麗にスキャンしたPDFデータで用意しましょう。
オーストラリア大学の学費と生活費の目安
オーストラリアの大学は年間300~500万円ほどが一般的ですが、大学やコースによって学費は大きく異なります。また、多くの大学でオーストラリア国内の学生向けと留学生向けの2する位の学費があるので、大学のサイトで調べるときは、必ず「International Student」の方を確認しましょう。
費用項目 | 費用の目安 | 備考 |
大学の学費 | 年間300~500万円×3年間 | 高校の成績によっては10~30%ほど授業料免除の奨学金が適用になる場合もあります。 |
現地での生活費 | 月15~20万円 | 現地での生活費はアルバイトで賄っている方も多いので、最低での最初の3,4カ月分は渡航前に用意すると良いでしょう。 |
ビザ申請代 | $2,000(約20万円) | ※2025年10月現在 |
留学生保険(OSHC) | 25万円程度 | OSHCはオーストラリアで学生ビザを申請する方が加入必須の医療保険です。
※左記は3年間大学に通う場合 |
航空券 | 6~10万円ほど | ※片道 |
生活費は、滞在都市やライフスタイルによって大きく変動します。シドニーやメルボルンの大都市圏は、家賃が高くなるため、生活費は高めに予算を組む必要があります。 また、オーストラリアの大学は、アメリカやイギリスの大学に比べて総学費や生活費を抑えられるという大きなメリットがあります。
オーストラリア大学の入学条件に関するよくある質問(FAQ)
オーストラリア大学選択のポイントは?都市と大学はどのように選べばよいですか?
オーストラリアの大学はどこも教育水準が高いですが、卒業後の目標に合わせて大学を選ぶことが成功の条件です。
- 都市:コストを抑えつつ温暖な気候を望むならブリスベン、ゴールドコーストなどがおすすめです。卒業後にオーストラリアでの就職や永住権も見据えている場合は、地方部の方がビザ制度上有利な場合もあります。都会が好きな方はシドニー、メルボルン、ブリスベンの3大都市が良いでしょう。都市部は大学数も多いです。
- 大学:学びたい専攻の評判や、入学条件、また提携している進学コースの有無、キャンパスの雰囲気などを総合的に判断しましょう。もし高校1,2年生の間に現地に短期留学や旅行の機会があれば、実際にキャンパスや大学周りの環境をチェックするのもおすすめです。
オーストラリアの大学入学はいつから準備を始めるべきですか?
オーストラリアの大学は2月または7月入学が主流です。3学期制の大学は、10月頃にも入学日があるところもあります。必要書類の手配に時間がかかるケースもあるため、早めの準備が大切です。
- 渡航の1年半前(高校2年生の終わり頃):情報収集、英語試験(IELTSなど)の勉強開始
- 渡航の1年前(高校3年生の夏〜秋):英語試験の受験、出願書類の準備、大学決定、大学への出願
- 渡航の6ヶ月前:ビザ申請、滞在先手配、渡航準備
まとめ
オーストラリアでの大学進学は、英語力と学力、そして適切な進学ルートの選択にかかっています。
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