ワーホリで看護師として働ける?ワーホリと看護留学について解説

看護師としての知識や経験を海外で活かしたいと思っていても、「海外で仕事ができるのだろうか…」とお悩みの方は少なくありません。

ワーホリに行っても医療現場で必要な英語力や、現地でうまくコミュニケーションが取れるかなど不安な方もいるでしょう。今回はワーホリで看護師としてできることや、看護留学について解説します。


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ワーキングホリデーでは看護師として働けない

ワーキングホリデーに行っても、すぐに看護師として勤務できないケースがほとんどです。ここでは、その理由について詳しく解説します。

日本の看護師資格は海外で通用しないため

看護の仕事は全世界共通です。しかし、海外で看護師として働くには各国の看護師免許を取得しなければならないケースがほとんどです。

海外研修や留学、ボランティアであれば、現地でも日本の看護師免許で活動できる場合もありますが、海外で看護師業務を行うにはそれぞれの国の法律に従い、看護師免許を取得する必要があるのです。

そのため日本の看護師資格があっても、海外では通用しません。ワーホリビザを利用して病院や施設などで、看護師として働くことはできないことを念頭に置きましょう。

ワーキングホリデーで働ける職種が限られるため

ワーホリでは、正看護師資格を取得しても就労ビザがなければ、派遣スタッフやアルバイトでしか働けません。飲食店での接客業や販売員などのシティバイトがほとんどです。

例えば、オーストラリアで看護師として働きたい方は以下の条件をクリアする必要があります。

・現地の正看護師資格の取得
・就労可能ビザがある
・英語のスキル(IELTS7.0以上)

上記に加えて、以下の条件も達成していると働きやすくなります。

・過去の看護師試験
・大学卒業学位

病院などの就職先でビジネスビザ(長期就労ビザ)を支援してくれるケースはほとんどないといわれています。海外で看護師として働きたい方は、現地で必要な看護師資格だけでなく、就労可能ビザも同時に取得しておくようおすすめします。

海外で看護師として働く方法

海外で看護師資格を取得するなら、オーストラリアかニュージーランドがおすすめです。

イギリスには看護師の国家資格がないため、NMC(看護・助産審議会)への登録をしなければなりません。NMCへ登録するには大学で3年間の履修が必須となり、その後も更新が必要です。

一方、オーストラリアで取得した看護師資格は、イギリス、カナダ、ニュージーランドなどで通用するため取得後は他国でも働けます。

ここではオーストラリアを例に挙げて看護師として働く方法を解説しますので、参考にしてください。

まずはワーホリで英語力を身に付ける

英語ができると現場で円滑なコミュニケーションが図れるため、まずはワーホリで英語力を身に付けておきましょう。おすすめのワーホリの滞在スケジュールは以下の通りです。

滞在期間 スケジュール
1~3か月 語学学校で英語を勉強する。

学校に通うことで現地の友達が作りやすくなり、情報収集の場としても活用できる。

オーストラリアの語学学校一覧

4~6か月

 

アルバイトをしながら英語を学ぶ。

生活に慣れてきたら現地の方と一緒に働く経験をするのがおすすめ。

7~9か月 セカンドワーキングホリデービザを取得する。

オーストラリアのワーホリビザは原則1年間だが、上記のビザを取得すると最大2年間滞在可能となる。

働くなかで、自然と英語で会話ができるようになってくる時期。コミュニティ活動(ボランティアなど)にも積極的に参加し、ワンランク上の言語運用を目指す。

上述したように英語力に自信がなければ、まずはワーホリで経験を積むのがおすすめです。勉強や仕事を通して語学力が身に付いたら、アシスタントナースの資格取得を目指しましょう。

とはいえ、英語力に自信があれば、看護インターンシップや大学への看護留学から始めても問題ありません。インターンシップの参加条件は、日本の正看護師資格と1年以上の臨床経験があることです。これらの条件を満たせば、語学学習やアシスタントナースの資格取得のサポートが受けられます。

アシスタントナースの資格を取得する

アシスタントナース(看護助手)とは患者様の生活全般の介助を担い、正看護師や准看護師の業務のサポートをする職種です。正式にはアシスタント・イン・ナーシング(AIN)と呼ばれます。

オーストラリアでアシスタントナースとして働くには資格を取得しなければなりません。取得するには、オーストラリアの職業訓練校TAFEのアシスタントナース資格取得コースで学び、修了証をもらう必要があります。

TAFEには年齢制限がなく、ILETSスコア5.5以上の英語力があれば入学可能です。また約半年の学習時間を経てアシスタントナースの資格取得が目指せます。ただし入学に必要な英語力が不足している場合は、事前に語学学校に通う必要があるので、さらに時間がかかる可能性があります。またTAFEに通っている間は勉強が大変なため、働ける時間は少ないかもしれません。

アシスタントナースの資格を取得するにあたり、Certificate Ⅲ以上のコースを修了する必要があります。コースによって働ける施設や仕事内容が異なるため、どのような職場で働きたいか明確にしたうえでコースを選ぶようにしましょう。

対応するコースと働ける施設、仕事内容は以下の通りです。

・Certificate Ⅲ in Health Services Assistance:病院やクリニックなどの医療機関の看護師補助業務を行う
・Certificate Ⅲ in Individual Support :介護施設で高齢者や障害者の介助など、生活支援をする

アシスタントナースは正看護師よりもできる仕事が限られてしまうため、医療用語を学ぶ機会が少ないのが現状です。とはいえ、ワーホリの経験だけでもキャリアアップにはつながります。まずはアシスタントナースとして働き、正看護師を目指して勉強するのもおすすめです。

正看護師になるための看護留学をする

オーストラリアで正看護師として働くには、現地の看護師資格看護協会への登録が必須です。登録するには「一定の英語力」と「学士取得」が必要です。正看護師になるための英語力の基準は以下の通りです。

・IELTS 7.0 以上
・TOEFL ibt=94以上
・OET=すべてのセクションでB以上(英検1級、TOEIC870~970点程度)

看護学の学士取得に関しては、現状によって取得方法が変わります。4年制大学を卒業し(学士号取得)正看護師資格を保有している場合は、指定の研修プログラムを受ければ資格取得が可能です。ただし、正看護師の登録に必要な英語テストで一定以上のスキルを証明しなければなりません。

看護専門学校や看護短期大学を卒業し、正看護師資格を保有している場合は、学士号取得に向けて看護学部へ入学します。最終学歴が大学卒業でなければ、日本の看護師資格を持っていてもオーストラリアの正看護師資格へは切り替えられません。

オーストラリアで新たに学士号を取得するために、入学に向けて準備しましょう。入学に必要な英語力はIELTS スコア6.5〜7.0 程度です。さらに、入学直前まで看護師として働いている実績が必要になります。ブランクがあると入学条件に満たない場合があるため注意しましょう。

看護師以外の学士号を保有していれば、看護学部の2年間のコースを受けられます。このコースを修了するとオーストラリアの正看護協会へ登録できます。

このように看護学の学士を取得し、正看護師資格を取得して看護師資格看護協会に登録完了後、正看護師として働けるようになるのです。ただし、正看護師として働くには就労ビザが必要なので、事前に取得しておく必要があります。

まとめ

日本の看護師資格を所有していても、ワーホリ先では看護師として働くことはできません。就労するには現地の看護師免許の取得や就労ビザ、英語力などが必要なため、ワーホリ先の詳細を確認しておきましょう。

海外で看護師として働くなら、看護留学を選ぶのもひとつの方法です。現状に即したカリキュラムが選択できるため、現地の看護師資格取得が目指しやすくなります。

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