ワーホリ参加者の「途中帰国率が3割」という公式な全国統計は存在せず、信頼できる根拠はありません。
オーストラリアのワーキングホリデー(WHM)制度は最長12か月滞在できる仕組みであり、最初から短期滞在を予定していた人と、断念して帰国した人を同等に扱えないためです。ネットの数値に惑わされず冷静に捉えることが大切です。
本記事では、公的資料をもとに帰国につながる原因と後悔しない対策を解説します。
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ワーホリで途中帰国する人の正確な割合は公表されていない

まず押さえておきたいのは、「途中帰国率」と「滞在期間」は別の数字だということです。
オーストラリアのDepartment of Home Affairsは、Working Holiday Maker programについて、若者がオーストラリアで最初の12か月を旅行しながら短期就労・就学できる制度として案内しています。
公式情報:
https://immi.homeaffairs.gov.au/what-we-do/whm-program
一方で、Home Affairsが公開しているWHM統計は、主にビザの申請数、発給数、国籍、年齢などの情報です。「本来1年間滞在する予定だったが、途中で断念して帰国した人」の割合を示す統計ではありません。
公式統計ページ:
https://www.homeaffairs.gov.au/research-and-statistics/statistics/visa-statistics/visit
「3割が途中帰国」という数字はそのまま鵜吞みにしない
検索すると、途中帰国する人について10〜40%程度の数字が書かれているページがあります。
しかし、数字を見るときは少なくとも次の情報が必要です。
- 誰が調査したのか
- 何人を対象にしたのか
- どの国のワーホリなのか
- 何年の調査なのか
- 「途中帰国」を何か月未満と定義したのか
- 最初から短期滞在を予定していた人を除いているのか
これらが分からなければ、途中帰国の割合として信頼できる数字か判断できません。
したがって、現時点では**「ワーホリの途中帰国率は○%」と一つの数字で断定しない**のが正確です。
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オーストラリアの平均滞在期間から「途中帰国率」は計算できない

オーストラリアには、Working Holiday Makerの滞在期間に関する公的資料があります。
オーストラリア議会のWorking Holiday Maker programに関する報告では、過去のAustrade等の資料をもとに、WHMの平均滞在について「約8か月」とするデータや、International Visitor Surveyをもとに「平均148泊」とするデータが紹介されています。
ただし、これは途中帰国率ではありません。
平均滞在が12か月未満になる理由には、次のようなケースがすべて含まれ得ます。
- 最初から3〜6か月だけ滞在する予定だった
- 就職や大学の予定に合わせて帰国した
- オーストラリア滞在後に別の国へ旅行した
- 十分に目的を達成したため予定を変更した
- 仕事や資金面の問題で予定より早く帰国した
- 体調や家庭の事情で帰国した
「12か月未満で出国した人=ワーホリに失敗して途中帰国した人」ではありません。
満足度が高くても12か月未満で帰国する人はいる
Austradeが公表している2019〜2020年のWorking Holiday Maker調査では、約95%がWHMプログラムを他の人にも勧めると回答し、働いた仕事についても70%超が満足または非常に満足と回答しています。
この結果からも、滞在期間が1年未満だからといって、それだけで「失敗」「挫折」と判断することはできません。
ワーホリで途中帰国につながりやすい5つの理由

正確な割合は分からなくても、途中帰国を考えるきっかけになりやすい状況はあります。
ここでは「何%がこの理由で帰国する」とは断定せず、ワーホリ準備の段階で確認しておきたい代表的な要因を紹介します。
1. 仕事がなかなか見つからない
ワーホリでは「現地に行けばすぐ仕事が見つかり、生活費を稼げる」と考えてしまうことがあります。
しかし、仕事探しには英語力、職歴、時期、都市、求人状況、レジュメ、面接力などが影響します。
日本ワーキング・ホリデー協会も、海外での仕事探しは簡単ではなく、仕事が見つからないまま資金が底をつけば帰国につながりかねないと案内しています。
参考:
https://www.jawhm.or.jp/shigoto.html
オーストラリアで仕事が見つからない場合の探し方は、以下の記事でも詳しく解説しています。
→ オーストラリアのワーホリで仕事が見つからない!探し方のコツは?
2. 生活費が想定より高く、資金が減る
家賃、食費、交通費、通信費などが想定より高いと、仕事が決まるまでに貯金が大きく減ることがあります。
オーストラリアは賃金水準が高い一方、「最低賃金が高い=すぐ十分に稼げる」という意味ではありません。
2026年7月1日から、オーストラリアのNational Minimum WageはA$26.44/時です。National Minimum Wageが適用されるcasual employeeは、25%のcasual loadingを含めてA$33.05/時が最低額です。ただし、多くの仕事ではawardが適用され、年齢、職種、勤務時間などによって実際の最低賃金は異なります。
Fair Work Ombudsman:
https://www.fairwork.gov.au/pay-and-wages/minimum-wages
ワーホリ費用については、渡航前費用だけでなく、仕事が決まるまでの生活費を含めて準備することが重要です。
3. 英語力と理想の仕事にギャップがある
「現地のカフェで働きたい」「ローカル企業で働きたい」と考えていても、英語での接客や面接が難しく、希望する仕事に就けないことがあります。
英語力が十分でないこと自体がワーホリ失敗を意味するわけではありません。ただし、渡航前に想定していた働き方との差が大きいほど、不満や焦りにつながりやすくなります。
仕事探しに不安がある場合は、渡航前から英文レジュメ、面接、接客英語を準備しておきましょう。
4. 海外生活が合わない・体調を崩す
気候、食事、住環境、人間関係、言語環境など、日本との違いが負担になる人もいます。
また、病気やけが、家族の事情など、本人の努力だけでは解決できない理由で予定を変更することもあります。
このようなケースでは、「1年間いなければ失敗」と考える必要はありません。安全や健康を優先して帰国することも合理的な判断です。
5. 目的を達成した・日本での予定を優先した
途中で帰国する理由は、必ずしもネガティブなものだけではありません。
例えば、
- 必要な英語力を身につけた
- 希望していた仕事を経験できた
- 十分に旅行できた
- 日本での就職活動を始めたい
- 復学や転職の予定が決まった
といった理由で、当初の予定より早く帰国することもあります。
ワーホリは「何か月いたか」だけで評価するものではなく、渡航前に決めた目的をどこまで達成できたかで考える方が現実的です。
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オーストラリアワーホリで途中帰国を減らすためにできること

途中帰国そのものを悪いことと考える必要はありません。
一方、「本当は続けたかったのに、準備不足で帰国せざるを得なかった」という状況を減らすためには、渡航前の準備が重要です。
生活費は仕事がすぐ決まらない前提で準備する
現地収入を初月から満額得られる前提にしないことが大切です。
到着後は、住まい探し、銀行口座、TFN、レジュメ作成、応募、面接などに時間がかかります。仕事が決まっても、最初の給与が入るまでさらに時間が必要です。
「仕事が1〜2か月決まらなくても生活できるか」を基準に資金計画を作っておくと、焦って条件の悪い仕事を選ぶリスクも減らせます。
仕事探しを1つの方法に絞らない
求人サイトだけでなく、店舗へのレジュメ配布、知人からの紹介、学校のジョブサポートなど、複数の方法を組み合わせましょう。
また、希望職種だけに絞りすぎると、仕事が決まるまでの期間が長くなる可能性があります。
最初は生活基盤を作るための仕事をしながら、英語力や経験を高め、次の仕事へ移る方法もあります。
英語力に不安があるなら渡航前から準備する
ワーホリビザの取得に高い英語スコアが必須というわけではありませんが、実際に生活・仕事を始めると英語を使う場面が増えます。
特に、
- レジュメを渡す
- 面接を受ける
- 勤務条件を確認する
- シフトや仕事内容を理解する
- 家の契約内容を確認する
といった場面では、最低限のコミュニケーション力が必要です。
英語に不安がある人は、渡航前学習や到着後の語学学校も選択肢に入れましょう。
「続ける条件」と「帰国を検討する条件」を決めておく
渡航前に、自分なりの判断基準を作っておくのもおすすめです。
例えば、
- 貯金がA$○○を下回ったら計画を見直す
- 1か月仕事が見つからなければ都市や職種を変える
- 体調不良が続いたら専門家や家族に相談する
- 3か月ごとに目標を振り返る
などです。
感情的に「もう無理」と判断する前に、次の行動を決めやすくなります。
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途中帰国と一時帰国は違う
「途中帰国」を調べている人の中には、「日本に一度帰ったらワーホリが終わるの?」と心配している人もいるでしょう。
オーストラリアのWorking Holiday visaでは、ビザが有効な間はオーストラリア国外へ出て再入国することができます。
ただし、オーストラリア国外で過ごした期間分だけビザの有効期間が延長されるわけではありません。
Department of Home Affairs:
https://immi.homeaffairs.gov.au/visas/getting-a-visa/visa-listing/work-holiday-417
一時帰国については、以下の記事で詳しく解説しています。
→ ワーホリ中に日本に帰れる?一時帰国に関する疑問を徹底解説
途中帰国してもワーホリが「失敗」とは限らない
途中帰国を迷っていると、「せっかく来たのだから1年間いなければ」「途中で帰ったら逃げたと思われる」と考えてしまうことがあります。
しかし、ワーホリの目的は人によって違います。
オーストラリアのWHM制度自体も「最長12か月」の滞在を認める制度であり、全員に12か月滞在を求めているわけではありません。
重要なのは、
- なぜ帰国したいのか
- 現地で改善できる問題なのか
- 都市・仕事・住まいを変えれば解決できるのか
- 健康や安全を損なってまで続ける必要があるのか
- 帰国後に何をしたいのか
を整理することです。
ワーホリを続けることだけを成功と考えず、自分の目的や状況に合わせて判断しましょう。
ワーホリで後悔しやすいケースや準備については、以下の記事も参考にしてください。
→ なぜ「ワーキングホリデーはやめとけ」と言われるのか。理由を徹底解説
よくある質問

ワーホリで途中帰国する人は3割くらいですか?
「3割」と断定できる公的統計は、2026年9月15日時点では確認できません。
検索上には10〜40%程度の数字が見られますが、調査主体や「途中帰国」の定義が不明なものもあります。出典が確認できない数字を、そのままワーホリ全体の途中帰国率として使うのは避けましょう。
ワーホリは1年間滞在しないといけませんか?
いいえ。
オーストラリアのFirst Working Holiday visa(subclass 417)は、条件を満たす人が最大12か月滞在できるビザです。必ず12か月滞在する義務があるわけではありません。
オーストラリアのワーホリ中に一度日本へ帰れますか?
ビザが有効であれば、オーストラリア国外へ出て再入国できます。
ただし、国外にいた期間分だけビザ期限が延びるわけではありません。自分のビザ有効期限と条件はVEVOやgrant letterで確認してください。
途中帰国したらワーホリは失敗ですか?
滞在期間だけで失敗かどうかは決まりません。
健康、家族、就職、資金、目標達成など、帰国理由は人によって異なります。目的を達成して予定より早く帰る人もいます。
一方、仕事が見つからない、生活費が足りないなど、準備によって減らせる問題もあります。渡航前に資金・英語・仕事探し・住まいについて具体的に準備しておくことが大切です。
まとめ|オーストラリア留学なら現地サポート充実のMiraiBridge

ワーホリ参加者の「途中帰国率」を示す公的な統計は存在せず、短期間で帰国した人すべてが挫折したわけではありません。割合を気にしすぎるより、渡航前に以下の4項目をしっかり準備しておきましょう。
-
仕事が決まらなくても過ごせる資金
-
英文レジュメなど仕事探しの対策
-
生活や仕事で使う英語力
-
困ったときの相談先やサポート体制
事前の備えが現地での不安を減らし、納得のいく滞在につながります。
Mirai Bridgeでは、ワーホリ後の留学や学校選び、学生ビザを使った留学プランなどについて無料相談を受け付けています。セカンド・サード以外の進路も含めて、オーストラリアでの今後の過ごし方を整理したい方はお気軽にご相談ください。
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