オーストラリア留学を検討する際、最も重要なのが「入学時期」の把握です。日本の大学の4月入学とは異なり、二学期制(Semester)または三学期制(Trimester)を採用する大学が多く、2月、7月、さらに10月入学が一般的です。さらに、直接学士課程へ進むルートのほかに、基礎学力を身につけるファンデーションコース経由、大学1年相当の単位を取得して2年次へ編入するディプロマコース経由、英語力の条件を満たしていない場合の英語コース経由など、多様な進学ルートがあります。それぞれ出願時期やビザ申請、渡航準備のタイミングが異なるため、確実に希望学期にスタートするためには、逆算スケジュールの策定が欠かせません。
本記事では、学期制度ごとの入学時期から進学ルート別のタイムライン、出願・準備の具体的なステップ等を解説しています。初めての方でもイメージしやすいよう、スケジュール例や準備チェックリストも併せてご紹介しますので、ぜひ最後までご一読ください。
オーストラリアの大学の入学時期はいつ?
オーストラリアの大学における学期制度は大きく二つに分かれます。一つは年2回の入学機会を提供する「二学期制(Semester)」、もう一つは年3回入学できる「三学期制(Trimester)」です。二学期制では2月末~6月中旬に「1学期」、7月末~10月下旬に「2学期」を開講しています。一方、三学期制ではそれに加え10月~1月下旬の「3学期」が設けられています。三学期制は、学期が短く集中型であり、年3回の入学機会を活かしやすい点が特徴です。二学期制は長めの学期と休暇がある点が特徴です。
2学期制の大学の場合(2月・7月が一般的)
オーストラリアの大学の多くが二学期制を採用しています。
二学期制を採用する大学では、「1学期」が2月末~6月中旬、「2学期」が7月末~11月中旬にそれぞれ開講します。出願の締切は通常、学期開始の4~6か月前です。
たとえば2月入学を目指す場合、前年8月頃までに出願を行い、10月までにCoE(入学許可書)を取得、ビザ申請、2月渡航という流れが典型的です。7月入学の場合は当年1月頃までに出願、3月までにCoE取得、ビザ申請のスケジュールを組みます。二学期制は学外活動の期間も取りやすい反面、入学のチャンスが年に2回しかない点に注意が必要で、長い休暇中に学習のリズムを維持する工夫も必要です。
日本の高校卒業後にオーストラリアの大学進学を目指す方は、この二学期制の大学をご希望の場合は高校を卒業する年の7月入学を目指すことが一般的です。
オーストラリアの二学期制の大学の例
- メルボルン大学(University of Melbourne)
- シドニー大学(University of Sydney)
- クイーンズランド大学(University of Sydney)等
3学期制の大学の場合(2月・7月・10月が一般的)
オーストラリアの大学では二学期制が主流ですが、三学期制を採用している大学もあります。
三学期制(Trimester)では、1学期(2月末~5月末)、2学期(7月中旬~10上旬)、3学期(10月上旬~1月下旬)の3学期に分かれています。年3回入学できるため、出願機会を逃した場合でも早めに次のチャンスを狙えるのが利点です。
ただし、学期が短く休暇も短いため、学業とプライベートをメリハリよく計画する必要があります。そして、3学期制を採用している大学でも、学部によっては入学時期が2回となっている学部もあるので注意が必要です。
オーストラリアの三学期制の大学の例
- グリフィス大学(Griffith University)
- サザンクロス大学(Southern Cross University)※一部のコースのみ3学期制
- セントラルクイーンズランド大学(Central Queensland University)※一部のコースのみ3学期制
オーストラリアの大学の4つの進学ルートと入学時期
オーストラリアで学士課程に進むには大きく4つのルートがあります。
- 高校の成績と英語要件を満たして直接学士課程に入学する「直接入学」ルート
- 大学入学に必要な基礎学力を半年~1年で養成する「ファンデーションコース経由」ルート
- 大学1年次相当の単位を取得し、修了後に大学2年次へ編入する「ディプロマコース経由」ルート
- 英語力を強化してから上記のいずれかへ進む「英語コース経由」ルート
それぞれ入学時期(=留学開始時期)、必要英語スコア、期間、学費が異なり、どのルートを選ぶかで出願・渡航のタイミングも変わってきます。以下で各ルートの特徴と具体的な出願~渡航スケジュール例をご紹介します。
大学に直接入学
直接入学ルートでは、高校の成績(GPA)やIELTS 6.0~6.5相当以上の英語スコアをクリアすれば、多くの大学で学士課程1年次に直接出願が可能です。(ただしオーストラリアのTOP8大学である「グループオブ8」等は直接入学ができないケースもあります。)
大学に直接入学の場合の入学時期は、前述した通り二学期制の場合は2月・7月、三学期制の場合は2月、7月、10月が一般的ですが、大学によって若干異なります。
二学期制の2月入学の場合は前年8月頃まで、7月入学なら当年1月頃までに出願をするのが良いでしょう。出願後にCoE(入学許可証)を取得、ビザ申請、渡航という流れになります。出願に必要な書類は、成績証明書、卒業証明書(英文)、英語試験スコア、パスポートコピーなどです。ファンデーション・ディプロマコースを経由せずに直接進学するため、学費・在学期間の節約が可能ですが、一定以上の学力・語学力を高校生の間に確実に準備しておく必要があります。
ファンデーションコースを経由
ファンデーションコースは、高校成績が直接入学基準に達しない場合や、大学の学習の基礎を固めたい場合に半年~1年かけて学習するプログラムです。
ファンデーションコースの入学時期は大学によりばらつきがありますが、2月、7月に設けている大学が多いです。大学の学習の予備学習を行い、修了時に所定の成績を満たすと大学1年次へ入学できます。大学の学部の授業が始まる前に現地の環境へ適応する期間としても有効ですが、直接入学の場合よりも追加の時間と費用が必要となります。
ディプロマコースを経由
ディプロマコース(Diploma)は、大学1年次相当の単位を約1年で取得し、修了後に大学2年次へ編入できるプログラムです。
専攻分野はビジネス、IT、ホスピタリティ、ヘルスケア、デザインなど多岐にわたります。ディプロマコースは大学の付属のカレッジで開講されているケースが多く、入学時期は2月、6月、9月頃に設けている大学が多いですが、こちらも大学によりかなりばらつきがあります。
ディプロマコース経由の場合、修了時の成績や単位が所定基準を満たせば、スムーズに大学2年次へ編入できます。ディプロマコースは一般的に大学の学部1年分の学費よりも費用が安いため、学費を節約したい方におすすめです。
また、大学によってはオーストラリア州立専門学校「TAFE」のディプロマコース経由の入学を認めているところもあります。TAFEの場合、大学の付属のカレッジのディプロマコースよりも学費が安くなりますので、費用を抑えたい方におすすめです。
ただし、トップの大学ではディプロマコース経由を認めていない大学もありますので注意が必要です。
英語コースを経由
オーストラリアの大学の入学条件には「学歴条件」「英語条件」の二つがあります。
日本の高校を卒業後にオーストラリアの大学進学を目指す方の場合、「学歴条件」は満たしていることがほとんどですが、「英語条件」はクリアできないという方も多いです。この「英語条件」を満たしていない方向けの進学ルートが「英語コース経由」です。
英語コース(ELICOS: English Language Intensive Courses for Overseas Students)では、大学進学に必要な英語力を集中的に鍛えることが可能です。IELTSやTOEFLのスコアが基準に達していない場合、大学付属語学学校や大学が認定している現地の語学学校で学び、所定の成績で英語コースをすれば、直接入学やファンデーション・ディプロマコースへ進学できます。英語コースの開始時期は毎月または、一般的な語学学校は毎週設定しています。語学学習と並行して現地文化に触れられるため、留学生活の土台作りにも最適です。
そして、英語コース経由の場合は、留学のスタート時期が人によって異なる点に注意が必要です。どのくらい英語コースが必要になるかは、英語力によって異なります。
10週の英語コースでOKの方もいれば、40週近く必要な場合もあります。留学のスタート時期は、大学(またはファンデーションコースやディプロマコース)の入学時期から、必要な英語コースの週数を遡った時期となります。
▼大学進学希望者向け個別説明会開催!ご予約はこちらから!▼
大学への出願・準備を始める時期
オーストラリアの大学進学は、出願から渡航までのスケジュール管理が成功の鍵です。入学希望学期の6~9か月前に出願を完了し、その後ビザ申請、海外旅行保険加入、住居手配、航空券予約と段階的に進めましょう。
オーストラリアの大学への出願はいつするべき?
オーストラリアの大学への出願は入学希望学期開始の6~9か月前に行うのが良いでしょう。2月入学なら前年5月~8月、7月入学なら前年10月~当年1月、10月入学なら当年1~4月頃が目安となります。
大学の出願時点では費用はかからず、入学義務も発生しません。もしオーストラリアの大学進学を考えている場合は、早めに出願を進めましょう。
出願をすることで「入学査定をしてもらえる」「具体的な学費が分かる」というメリットがあります。英語条件をクリアできていない方は、今の英語スコア(IELTSやTOEFL等)を提出することで、何週間英語コースが必要なのかを判定してもらうこともできます。
オーストラリア大学出願に必要な書類
オーストラリアの大学の出願に必要な書類は次の通りです。
- 高校の成績証明書(英文と日本語両方)【必須】
- 高校の卒業証明書(英文)【必須】
- パスポートコピー【必須】
- 英語試験スコア(IELTS/TOEFL/PTE)※あれば
高校在学中に出願を進める場合は、高3中期(2学期)終了時の英文成績証明書(日/英)を準備しましょう。
結論、オーストラリア大学進学準備はいつから始めるべきか?
理想的な準備期間は入学希望時期の1年ほど前からです。以下のタイムラインを参考に段階的に進めましょう。
12~11か月前 | 大学・コース選定、資金計画、英語試験対策開始 |
9~6か月前 | 必要書類手配、出願 |
4~2か月前 | 学生ビザ申請、留学生保険加入、ホームステイ・航空券手配開始 |
2~1か月前 | 航空券予約確定 |
渡航直前 | 荷造り、ホームステイ確定(手配される方) |
オーストラリアの大学選び・進学準備のご相談はMirai Bridgeへ
オーストラリア留学はコース選定から出願手続き、ビザ申請、その後の現地サポートまで多面的に準備が必要です。Mirai Bridgeの現地カウンセラーは、全員現地の大学を卒業していますので、実体験を基に、目的・予算・スケジュールに合わせた最適プランをご提案いたします。
進学ルート選びから大学への出願、学生ビザ申請サポート、現地での銀行開設や住居探しのアドバイスまで、出発前から現地到着後まできめ細かくサポートいたします。現地サポートも含め、手数料・サポート料は無料です。(6週間未満の短期留学を除く)まずはお気軽にお問い合わせください。
留学情報マガジンは、最低価格保証の現地留学エージェント「Mirai Bridge」が運営する留学情報サイトです。
- 留学費用を抑えるコツ
- ビザの申請方法
- 学校の選び方
など、これから留学を考えている方に役立つ情報を発信しています!