オーストラリアでソーシャルワーカーから永住権を目指す方法|AASW職業査定・189/190/491を解説

オーストラリアでソーシャルワーカーから永住権を目指す場合、2026年現在もSocial Worker(ANZSCO 272511)は注目職種のひとつです。

職業査定機関はAASWで、最新の189ビザ招待ラウンドでは75点が最低ラインでした。ただしDiploma of Community Servicesだけでは対象外です。

本記事では、AASWの認定条件や永住権取得までのルートを詳しく解説します。

※移民制度・州推薦条件・職業リストは変更されます。本記事は一般情報であり、個別の移民アドバイスではありません。ビザ申請の最終判断はDepartment of Home Affairs、個別ケースは登録移民エージェントまたは法律専門家へ確認してください。

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Table of Contents

オーストラリアのソーシャルワーカーは永住権を目指せる?

What Does a Social Worker Do?

結論からいうと、Social Worker(ANZSCO 272511)は、2026年8月時点で技術移民・雇用主スポンサーの両面から永住権を検討できる職業です。

項目

2026年8月時点の確認内容

職業名

Social Worker

ANZSCOコード

272511

職業査定機関

AASW

189の対象

対象になり得る

190の対象

対象になり得る。州・準州の推薦条件を別途満たす必要あり

491の対象

対象になり得る。州推薦または対象親族スポンサー等の条件あり

491から永住権

条件を満たせばsubclass 191を検討可能

186 Direct Entry

Social Worker 272511が現行の対象職業リストに掲載

482 Core Skills

Social Worker 272511がCore Skills Occupation Listに掲載

189の制度上の最低ポイント

65点

2026年6月4日189ラウンドのSocial Worker最低招待ポイント

75点

ここで重要なのは、「対象職業に入っている=永住権が確約される」わけではないことです。

特に189・190・491はSkillSelectを使うポイント制です。制度上の最低ラインは65点ですが、実際の招待ラインは職業やラウンドによって上がります。Social Workerは2026年6月4日の189招待ラウンドで75点が最低招待スコアでした。

そのため、永住権を視野に入れるなら「65点を取る」だけでなく、英語・年齢・学歴・職歴・州推薦などを含め、どこまでポイントを高められるかを早い段階から考えることが大切です。

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参考

Social WorkerとCommunity Servicesの違い

「オーストラリアで福祉を学ぼう」と調べると、大学の「Social Work」のほかに、専門学校(TAFEなど)の「Community Services」「Individual Support」「Disability Support」といったコースが見つかります。

しかし、Social Worker(職業コード:272511)として永住権を目指す場合、どの福祉コースを選んでもよいわけではありません。両者はまったく別の職業として扱われます。

主な違いの比較

  • 代表的な学歴

    • Social Worker:大学または大学院(学士号・修士号)

    • Community Services系:専門学校など(修了証・専門士相当のDiploma)

  • 主な教育機関

    • Social Worker:大学・高等教育機関

    • Community Services系:TAFE・専門学校

  • Social Worker(272511)の職業査定

    • Social Worker:判定機関はAASW

    • Community Services系:Diploma資格だけではAASWからSocial Workerとしての認定は受けられません

  • 求められる実習

    • Social Worker:AASWの基準(海外資格査定の場合、計1,000時間以上・2つ以上の実習など)が必要

    • Community Services系:コースごとに異なる

  • 永住権申請での扱い

    • Social Worker:Social Workerとして技術移民ビザなどを検討可能

    • Community Services系:卒業後の実際の職種に応じて、別の職業査定やビザ枠を確認する必要がある

ポイント:AASWの認定基準

Social Workerの職種査定を行う団体(AASW)は、「専門のソーシャルワーク教育を受けていること」を求めています。さらに、計1,000時間以上の現場実習(2つ以上の異なる領域・うち1つは直接的な支援実践)などを修了していることが条件です。

そのため、専門学校の「Diploma of Community Services」を取得しても、そのままSocial Workerとして査定を受けたり、永住権申請の条件を満たしたりすることはできません。まずはこの2つの違いをしっかり理解しておきましょう。

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ソーシャルワーカーから永住権を目指す主な4ルート

オーストラリアでソーシャルワーカー(Social Worker)として永住権を目指す場合、大きく分けて技術移民ビザ(ポイント制)と雇用主スポンサー系ビザの4つのルートがあります。


1. 技術独立ビザ(Subclass 189)

州政府や雇用主のスポンサーを必要としない、独立型のポイント制永住ビザです。

主な申請要件・特徴

  • 対象職業(Social Worker 272511)に該当し、AASWなどの適正な職業査定を取得していること

  • SkillSelectを通じてEOI(申請意思表示)を提出すること

  • 招待状(Invitation)を受け取った時点で45歳未満であること

  • ポイントテストで最低65ポイント以上を満たしていること(※ただし実際の招待ラインはより高くなります)

  • 英語力、健康診断、人物要件などをクリアすること

最新の傾向 2026年6月4日の189招待ラウンドにおいて、Social Workerの最低招待スコアは75点でした。65点はあくまで制度上の最低出願基準であり、実際に招待を受けるにはより高いポイントを狙う必要があります。

2. 州政府ノミネーションビザ(Subclass 190)

各州・準州政府から推薦(ノミネーション)を受けて申請するポイント制の永住ビザです。

主な申請要件・特徴

  • 職業査定、EOI提出、45歳未満、最低65ポイントといった基本条件は189と同様

  • 各州・準州が独自に定める推薦条件(現地での居住・就学履歴、関連職種での職歴、雇用契約など)を満たす必要あり

州ごとに優遇される条件や職業リストが異なり、年度途中で変更されるケースも多くあります。189だけに絞らず、190を並行して検討することで永住権取得のチャンスを広げることができます。

3. 地方技術暫定ビザ(Subclass 491) →永住ビザ(Subclass 191)

指定された地方(リージョナルエリア)で生活・就労することを前提とした5年間の暫定ビザ(491)を取得し、一定条件を満たした後に永住ビザ(191)へ移行するルートです。

491ビザ取得後の永住権(Subclass 191)移行条件

  • 対象となる491ビザ(または494ビザ)を3年以上保持していること

  • ビザの規定(地方居住・就労要件など)を遵守していること

  • 5年間の対象期間のうち、3所得年度分のATO Notice of Assessment(納税証明)を提出すること

※現在、Subclass 191申請時の最低年収制限は撤廃されています。地方エリアでの滞在や就労に抵抗がない場合、有力な選択肢となります。

4. 雇用主スポンサービザ(Subclass 482 / 186)

オーストラリア国内の政府認定雇用主からオファーを受けて申請するルートです。Social WorkerはCore Skills Occupation Listに含まれているため、以下のビザが検討可能です。

  • Skills in Demand visa(Subclass 482 Core Skills stream)
    スポンサー企業が必要な就労ビザ(最長4年間滞在可能)。実務経験を積みながら永住権ルートへ繋げることができます。

  • Employer Nomination Scheme(Subclass 186 Direct Entry stream)
    条件を満たす雇用主からの推薦、適正な職業査定、英語力、実務経験等の要件を満たすことで直接申請できる永住ビザです。

参考


永住権を目指すならAASWの職業査定が重要

ソーシャルワーカー(職種コード:ANZSCO 272511)として永住権を申請するには、AASW(オーストラリア・ソーシャルワーカー協会)から「オーストラリアのソーシャルワーカーと同等の資格・能力がある」という認める判定(職業査定:Skills Assessment)をもらう必要があります。

審査のルートは、「オーストラリアの大学・大学院で学ぶ場合」「日本など海外で取得した資格を審査してもらう場合」の2通りに分かれます。

1. オーストラリアでAASW認定コースを修了する場合

オーストラリア国内の大学や大学院で学ぶ場合は、AASWが公式に認可しているコース(AASW Accredited Courses)を卒業することが基本となります。

主なコースの種類と標準的な学習期間

  • 学士課程(Bachelor of Social Work)通常 4年間

  • 修士課程(Master of Social Work (Qualifying))通常 2年間

※「Qualifying(資格取得枠)」と呼ばれる2年間の修士コースは、すでに大学で社会科学系(心理学、社会学、教育学など)の学士号を修了している人を対象としています。学士・修士のどちらであっても、修了すればオーストラリアでソーシャルワーカーとして働くための基礎資格を満たすことができます。


2. 日本など海外でソーシャルワーク資格を取得している場合

日本で取得した「社会福祉士」などの資格や学歴を使って申請する場合は、AASWの海外資格審査(International Qualification Recognition)を受けます。

主にチェックされる5つの審査要件

  1. ソーシャルワーク専門の資格・学位であること

  2. 資格を取得した国(日本など)で、専門職のソーシャルワーク資格として公式に認められていること

  3. 学習内容(履修科目など)がオーストラリアのAASW認定コースと同等であること

  4. 合計1,000時間以上の現場実習を、2つ以上の異なる領域で修了しており、そのうち1つは直接的な患者・利用者支援(Direct Practice)であること

  5. AASWが定める高い英語要件(IELTS Academic 各セクション7.0以上など)を満たしていること

注意点

日本の「社会福祉士」を持っているだけで、自動的に査定がパスするわけではありません。大学で履修した科目内容やシラバス、実習時間・支援内容などをAASWが1件ずつ個別に審査します。


審査にかかる期間(申請の準備はお早めに)

AASWの海外資格査定は審査が非常に厳密です。申請から結果が出るまで通常12〜20週間(約3〜5ヶ月)程度かかります。渡航計画やSkillSelect(EOI)の提出時期から逆算して、スケジュールに十分な余裕を持って準備を進めましょう。

AASWの英語条件|IELTS Academicは各7.0が基本

AASWのMigration & Eligibility Assessmentでは、2026年8月時点でIELTS Academicが受理される英語試験です。

基本形は次の通りです。

Option 1|1回の試験で満たす

  • Overall 7.0以上
  • Listening 7.0以上
  • Reading 7.0以上
  • Writing 7.0以上
  • Speaking 7.0以上

Option 2|2回のIELTSで組み合わせる

6か月以内の最大2回のIELTS Academicを使い、

  • 4技能すべてで少なくとも1回は7.0以上
  • どの技能も6.5未満を取らない

という条件を満たす方法があります。

Option 3|One Skill Retakeを使う

AASWは2026年5月20日からIELTS One Skill Retake(OSR)を受け入れています。

主な条件は、

  • 元のcomputer-based IELTS Academicで4技能中3技能が7.0以上
  • 残る1技能も6.5未満ではない
  • One Skill Retakeでその技能を7.0以上にする
  • 元試験から60日以内にOSRを受験
  • OSR結果はAASW MEA申請日の12か月以内

などです。

通常のIELTS結果は、AASW資格査定申請前3年以内に取得したものが必要です。

大学の入学英語条件とAASWの移民英語条件は同じとは限らない

AASWは、オーストラリアのソーシャルワーク教育への入学英語要件は各Higher Education Provider(大学等)が設定すると案内しています。

したがって、「すべての大学が必ず入学時からIELTS各7.0」と一般化するのではなく、

  • 大学の入学条件
  • AASWの職業査定・移民目的の英語条件

を分けて確認する必要があります。

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参考
AASW Migration & Eligibility Assessment — https://www.aasw.asn.au/education-employment/migration-eligibility-assessment/

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ソーシャルワーカーを目指せる大学・大学院の例

永住権を視野に入れてオーストラリアで学ぶ場合は、AASWの現行Accredited Courses一覧に掲載されているプログラムかを必ず確認してください。

2026年8月時点のAASW一覧で確認できる代表例には、次の大学があります。

大学

主なソーシャルワーク課程の例

エリア

The University of Queensland(UQ)

Bachelor of Social Work / Master of Social Work (Qualifying)

クイーンズランド

Queensland University of Technology(QUT)

Bachelor of Social Work / Master of Social Work (Qualifying)

ブリスベン

Griffith University

Bachelor of Social Work / Master of Social Work (Qualifying)

クイーンズランド

Australian Catholic University(ACU)

Bachelor / Master of Social Work (Qualifying)

複数州

James Cook University(JCU)

Bachelor of Social Work / Master of Social Work (Professional Qualifying)

クイーンズランド

University of the Sunshine Coast(UniSC)

Bachelor / Master of Social Work (Qualifying)

クイーンズランド

このほか、AASW認定プログラムはNSW、Victoria、South Australia、Western Australia、Tasmania、ACT、Northern Territoryにもあります。

学校を比較するときは、学費だけでなく次を確認しましょう。

  • AASWの認定状況
  • BachelorかMaster (Qualifying)か
  • 自分の現在の学歴でMasterへ出願できるか
  • 入学英語条件
  • 実習の時期と負担
  • CRICOS登録・留学生受入れの有無
  • キャンパス所在地
  • 卒業後に希望州で仕事を探しやすいか
  • 州推薦・リージョナル戦略との相性

特にMaster of Social Work (Qualifying)は、大学ごとに出願時に求める既修分野や科目が異なります。「日本で4年制大学を卒業していれば誰でも2年のMasterに入れる」とは限らないため、出願前の学歴審査が重要です。

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ソーシャルワーカーになるまでのロードマップ

STEP 1|現在の学歴・実習歴を整理する

まず、日本で取得した学位・専攻・社会福祉士資格・実習時間を整理します。

すでにソーシャルワークの専門学位がある場合は、AASWの海外資格査定を検討します。要件を満たさない場合は、オーストラリアのAASW認定BachelorまたはMaster (Qualifying)が候補になります。

STEP 2|AASW認定コースを選ぶ

高校卒業者ならBachelor of Social Work、すでに関連学士号を持つ人ならMaster of Social Work (Qualifying)を中心に比較します。

学校名だけではなく、受講予定コースそのものがAASWの現行認定一覧にあるかを確認しましょう。

STEP 3|IELTSを早めに準備する

ソーシャルワーカーは英語要件が高いため、進学後に初めてIELTSを始めると時間が足りなくなる可能性があります。

入学条件とAASWの移民英語条件の両方を確認し、IELTS Academic各7.0をひとつの目標として準備しておくとよいでしょう。

STEP 4|卒業・AASW職業査定

AASW認定コースを修了後、移民目的で必要な職業査定を進めます。海外資格保有者はInternational Qualification Recognitionの基準を確認します。

STEP 5|EOIとポイント戦略を作る

189・190・491を比較し、年齢、英語、学歴、職歴、パートナーポイント、州推薦、リージョナル要素などからポイントを確認します。

2026年6月のSocial Workerの189最低招待スコアが75点だったことを踏まえると、「65点で止める」よりも上積みできる項目を検討する方が現実的です。

STEP 6|州推薦・雇用主スポンサーも並行して検討する

卒業後は求人状況を見ながら、190・491の州推薦だけでなく、482や186などの雇用主スポンサールートも確認します。

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永住権を目指すときの注意点

「不足職種だから簡単」と考えない

職業リストに掲載されていても、職業査定、英語、年齢、ポイント、招待、州推薦、雇用状況などを満たす必要があります。

65点は招待保証ではない

制度上は65点が最低ラインでも、2026年6月4日の189ではSocial Workerの最低招待スコアが75点でした。将来のラウンドでは上下する可能性があります。

州推薦条件は州ごとに違う

190・491の州推薦は、州・準州が独自に優先順位や条件を定めます。出願時点で最新条件を確認してください。

AASW認定を学校名だけで判断しない

大学にSocial Workと名の付くコースがあっても、受講予定のコース・キャンパス・年度の認定状況をAASWで確認しましょう。

ビザと学校選びを逆算する

「とりあえず安い福祉コースに入る」のではなく、

  1. 希望する職業
  2. 職業査定機関
  3. 必要な資格
  4. 英語条件
  5. 卒業後ビザ・技術移民・州推薦・雇用主スポンサー

の順で確認するのがおすすめです。

まとめ|ソーシャルワーカーは「AASW認定資格+英語+ビザ戦略」で考える

オーストラリアでソーシャルワーカー(ANZSCO 272511)から永住権を目指すなら、AASW認定の学位取得、実習1,000時間、英語力(IELTS各7.0相当)のクリアが必須です。

ビザ申請の最低ラインは65点ですが、最新の189招待では75点がボーダーでした。190や491、雇用主スポンサーも視野に入れ「学歴・資格・英語・職歴」から逆算した計画を立てましょう。

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