オーストラリアで自動車整備士から永住権を目指す|必要な資格・ビザ・学校選びを解説

オーストラリアは車社会のため自動車整備士の需要が高く、留学生にも人気の永住権ルートです。ただし、コース卒業だけで自動的に永住権が得られるわけではありません。職業リストや技能査定、英語力、職歴、ポイント制、州推薦、雇用主スポンサーなど、複数の条件をクリアする必要があります。

本記事では、2026年7月時点の最新公式情報をもとに、永住権獲得への基本ルートや必要な準備、学校選びの注意点を解説します。

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自動車整備士から永住権を目指す主なルート

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オーストラリアで自動車整備士として永住権を目指す場合、公式な職業名は Motor Mechanic (General)(職種コード:321211)と呼ばれます。

オーストラリア政府(統計局)の定義では、「乗用車などのエンジン、ギア、ブレーキ、ステアリング(ハンドル回り)などを点検・修理する仕事」とされています。

自動車整備士から永住権につなげる代表的なビザのルートは、大きく分けて「自分のポイントで目指すルート」「雇用主(会社)にスポンサーになってもらうルート」の2つがあります。

ビザの種類 どんなビザ?(概要) 注意しておきたいポイント

189ビザ

(技術独立永住ビザ)

州や会社に頼らず、自分個人のポイントだけで目指せる永住ビザ 完全な「招待制」です。申請に必要な最低点(65点)を超えていても、必ず招待がもらえるわけではありません。

190ビザ

(州推薦永住ビザ)

各州・準州の政府から「うちの州に来てほしい」と推薦を受けて申請する永住ビザ 州ごとに「必要な職歴・英語力・住む場所」などのルールが異なります。

491ビザ

(地方技術暫定ビザ)

地方エリア限定で暮らし、働ける「5年間のビザ(準備期間)」 永住権の一歩手前のビザです。地方で一定期間しっかり暮らして働くと、次の「191永住ビザ」へ進めます。

191ビザ

(地方技術永住ビザ)

491ビザなどで地方に一定期間住んだ人が、最終的に取得する永住ビザ 指定された地方エリアでの居住や就労実績、所得などの条件をクリアする必要があります。

186ビザ

(雇用主指名永住ビザ)

現地の会社(雇用主)にスポンサーになってもらって申請する永住ビザ 会社側の条件だけでなく、本人の職歴・給与額・英語力などの条件をクリアする必要があります。

ポイント制ビザ(189・190・491)の共通の流れ

189・190・491のビザを目指す場合は、いきなりビザを申請できるわけではありません。

  1. EOI(申請意思表示)の提出

    オーストラリア政府のシステム(SkillSelect)上で「私はこれだけの条件(年齢・英語力・職歴など)を備えています」という登録(EOI)を行います。

  2. 最低65ポイントが必要

    登録するには、ポイント計算で最低65点をとっている必要があります。

  3. 「招待」が届いてから本申請

    登録者の中から条件が良い人に政府や州から「招待状」が届きます。招待状が届いて初めてビザの正式申請ができる仕組みです。

    ※65点はあくまで「登録できる最低ライン」であり、65点を取れば必ず招待される(永住権が取れる)わけではない点に注意が必要です。

自動車整備士で永住権を目指す基本5ステップ

オーストラリアで自動車整備士として永住権を目指す場合、行き当たりばったりではなく「学校選び」から「実務経験」まで計画的に進める必要があります。

Step 1. 目指す職業が自分の実務内容に合っているか確認する

まずは、自分が目指す職種が Motor Mechanic (General)(軽自動車中心)なのか、大型ディーゼル車や電気系統専門(Automotive Electrician)なのかを確認します。

オーストラリアのビザ査定では、単に「自動車整備」という大まかな括りではなく、「実際に現場でどんな作業をしているか」が細かくチェックされます。自分が将来進みたい分野と職業コードが合致しているか事前に把握しておきましょう。

Step 2. 関連するコース(VET)で基礎資格を取得する

オーストラリアの専門学校(VET)で、段階的に資格を取得していきます。

段階 コース例 学ぶ内容のイメージ
基礎 Certificate III in Light Vehicle Mechanical Technology 点検、整備、基本修理、安全作業、工具の使い方など
応用 Certificate IV in Automotive Mechanical Diagnosis 複雑な故障診断、電気系統、ブレーキ、エンジン管理など
上位 Diploma of Automotive Technology / Management 高度な診断技術、工場管理、チームマネジメントなど

学校選びのポイント:

「学費が安いから」だけで選ぶのは危険です。留学生向け政府認定(CRICOS)を受けているか、十分な実習設備があるか、卒業後ビザ(485ビザ)の要件を満たす就学期間になるかを確認しましょう。

Step 3. 技能査定(JRP)の準備をする

オーストラリアで技術移民ビザを申請するには、「技能査定(Skills Assessment)」に合格する必要があります。

自動車整備士の場合、指定機関である Trades Recognition Australia (TRA)Job Ready Program(JRP) というプログラムを利用します。

JRPの主な流れ(全4段階)

  1. PSA(仮技能査定): 学校卒業時に資格と規定の実習時間を証明する(申請費:A$130)

  2. JRE(就労登録): 承認された職場と雇用契約を結び、勤務時間をカウント開始する(申請費:A$490)

  3. JRWA(実技・現場査定): 約6ヶ月(863時間)経過後、査定員が職場を訪問し技術をチェック(申請費:A$2,845)

  4. JRFA(最終判定): 計12ヶ月(1,725時間以上)の就労を達成し、最終審査を受ける(申請費:A$75)

※JRPプログラム本体の費用は A$3,410 ですが、事前手続き(PSA)を含めると合計 A$3,540 となります。学校を卒業するだけでなく、卒業後に現場で1年以上の有給実務経験を積むことが必須条件となります。

Step 4. 卒業後ビザ(485ビザ)で働く時間を確保する

学校卒業後にJRPの1年間の実務経験を積むためには、卒業後ワークビザ(Subclass 485) などを取得して滞在期間を確保する必要があります。

ビザの申請条件(年齢制限、英語スコア、就労条件など)は変更されることがあるため、入学〜卒業のタイミングに合わせて十分な滞在期間が確保できるか確認しておくことが重要です。

Step 5. SkillSelectでEOIを提出し、ビザ申請を目指す

技能査定に合格し条件が整ったら、政府のシステム(SkillSelect)に自分の情報(年齢・英語力・職歴・学歴など)を入力して EOI(申請意思表示) を提出します。

自動車整備士の場合、自分個人のポイントで狙う独立永住ビザ(189)だけでなく、以下のようなルートも併せて検討するのが一般的です。

  • 190ビザ / 491ビザ: 人手不足の州政府から推薦を受けるルート

  • 186ビザ / 494ビザ: 現地の整備工場(雇用主)からスポンサーになってもらうルート

どのルートが最短になるかは、自分の年齢、英語スコア、働く地域(都市部か地方か)によって異なります。


主な参照元(公式情報源):
Job Ready Program (JRP) Guidelines & Fees
Provisional Skills Assessment (PSA
Subclass 485 Temporary Graduate visa
SkillSelect & Points-based Visas

自動車整備士を目指せる学校・コース例

以下は、2026年7月時点の学校公式ページおよび費用案内をもとに整理した情報です。学費・入学日・キャンパス・コース構成は変更される可能性があるため、出願前には必ず最新のオファーレター(Offer Letter)や公式資料をご確認ください。

Imagine Education(イマジン・エデュケーション)

Certificate III in Automotive | Imagine Education

Imagine Education は、クイーンズランド州のゴールドコーストブリスベンにキャンパスを構える人気の私立専門カレッジです。

公式発表によると、Ashmore(ゴールドコースト)とブリスベンの両キャンパスに実践的な自動車整備専用ワークショップ(実習場)を完備しており、現場に近い環境で技術を学ぶことができます。

学校・コースの基本情報

項目 詳細・内容
学校公式サイト Imagine Education 公式ページ
自動車コース詳細 Faculty of Automotive(自動車学部)
主な開講コース

・Certificate III in Light Vehicle Mechanical Technology

・Certificate IV in Automotive Mechanical Diagnosis

・Diploma of Automotive Management

就学期間

・Certificate III:60週間

・Certificate IV:36週間

・Diploma:30週間

開講キャンパス

・Certificate III / IV:Ashmore(ゴールドコースト)、ブリスベン

・Diploma:Ashmore(ゴールドコースト)

英語要件(目安)

IELTS 5.5 以上(全バンド5.0以上)または同等の英語力

※付属語学コースや提携語学学校からの進学ルートもあり

学費の目安

Cert III: 授業料 A$15,500 + 工具キット代 A$2,000

Cert IV: 授業料 A$12,000 + 教材費 A$300

Diploma: 授業料 A$9,000 + 教材費 A$300

⚠️ コース選びの注意点

Imagine Education の上位コースは、工場管理や運営を学ぶ Diploma of Automotive Management となっています。もし診断技術をさらに極める Diploma of Automotive Technology の受講を希望する場合は、出願前に入学窓口や留学エージェントへ開講状況を確認することをおすすめします。


主な参照元(公式情報源):
Faculty of Automotive (Course Overview)
Imagine Education International Fee Schedule

Ashton College(アシュトン・カレッジ)

Cert. III in Heavy Commercial Vehicle Mechanical Technology – Ashton ...

Ashton College は、ビクトリア州メルボルン周辺にキャンパスを構える私立カレッジです。実践的な自動車整備コース(軽自動車整備・故障診断・高度診断技術)を提供しています。

学校・コースの基本情報

項目 詳細・内容
学校公式サイト Ashton College 公式ページ
自動車コース詳細 Automotive Courses(自動車コース一覧)
主な開講コース

・Certificate III in Light Vehicle Mechanical Technology

・Certificate IV in Automotive Mechanical Diagnosis

・Diploma of Automotive Technology

就学期間

・Certificate III:82週間

・Certificate IV:30週間

・Diploma of Automotive Technology:26週間

入学時期 毎月入学可能(Every Month)
英語要件(目安) IELTS 6.0 以上(または同等の英語試験・語学コース修了)
学費の目安

Cert III: 授業料 A$17,000<br>・**Cert IV:** 授業料 A$6,700

Diploma: 授業料 A$6,950

※別途、入学申請料(Application fee)や教材費(Material fee)が必要です。

⚠️ 見積もり確認のポイント

一部の留学プラン例で「就学期間 82週+30週」「学費合計 A$25,550」と案内される場合があります。公式サイトでは Diploma(26週・A$6,950)が別設定となっているため、提示された見積もりに Diploma が含まれているか、セット割引や教材費がどう含まれているかは、出願前に最新のオファーレターで確認しましょう。

参照元:
Cert. III in Light Vehicle Mechanical Technology
Diploma of Automotive Technology

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Central Australian College (CAC)

Certificate III In Light Vehicle Mechanical Technology - Monkeys. Study ...

Central Australian College は、メルボルン(West Footscray)ホバートブリスベンにキャンパスを持つ私立カレッジです。特にメルボルンの West Footscray キャンパスには充実した整備実習場が備わっています。

学校・コースの基本情報

項目 詳細・内容
学校公式サイト Central Australian College 公式ページ
自動車コース詳細 Automotive Courses Melbourne
主な開講コース

・Certificate III in Light Vehicle Mechanical Technology

・Certificate IV in Automotive Mechanical Diagnosis

・Diploma of Automotive Technology / Management

就学期間

・Certificate III:52週間

・Certificate IV:26週間

・Diploma of Automotive Technology:26週間

・Diploma of Automotive Management:52週間

入学時期

年4回(1月・4月・7月・10月)

※オーストラリア国内在住(オンショア)の学生は毎月入学も可能

開講キャンパス West Footscray(メルボルン)、Hobart(タスマニア)、Brisbane
英語要件(目安) IELTS 6.0 以上(または同等のELICOS / PTE / TOEFL等)
学費の目安

Cert III: 授業料 A$16,000<br>・**Cert IV:** 授業料 A$6,750

Diploma of Automotive Technology: 授業料 A$7,500<br>*※各コースごとに入学申請料(Application fee A$350)が別途必要です。*

⚠️ コース選択と期間の注意点

CACの上位コースには、技術を高める Diploma of Automotive Technology(26週間・A$7,500) と、経営管理を学ぶ Diploma of Automotive Management(52週間・A$10,000) の2種類があります。「合計130週間(52週+26週+52週)」という長期プランの場合は Management が組み込まれている可能性があるため、ご自身の目的に合ったDiplomaが含まれているか事前に確認してください。

主な参照元:
・Cert III in Light Vehicle Mechanical Technology
Cert IV in Automotive Mechanical Diagnosis
・Diploma of Automotive Management

よくある質問

Q. 自動車整備士コースを卒業すれば永住権は取れますか?

A. いいえ、コース修了だけでは取得できません。
専門学校の卒業はあくまで第一歩です。永住権の申請には、卒業後に指定の技能査定プログラム(TRAのJRPなど)をパスすることに加え、必要な英語スコアの達成、ポイント制のスコア獲得、または州政府からの推薦(190/491)や雇用主からのスポンサー獲得(186など)といった複数のハードルをクリアする必要があります。


Q. 日本で整備士経験がある人は有利ですか?

A. はい、海外での実務経験として優遇・活用できる可能性があります。
日本での整備士経験や資格は、技能査定やビザ申請時のポイント加算(職歴ポイント)に反映できる場合があります。海外在住者向けの技能査定(TRAのOSAP等)を利用することで、オーストラリアで一から学ばずに直接ビザ申請へ進めるケースもあるため、学歴・職歴・雇用証明が証明できるか事前に確認することが重要です。


Q. ビザは189、190、491のどれが一番おすすめですか?

A. 申請者の条件(年齢・英語力・職歴・滞在地域)によって最適なビザは異なります。
完全独立型の「189ビザ」は高い英語力や十分な職歴を持つ人に向いていますが、ハードルが高めです。一方、地方や特定の州で働く意思がある場合は、州政府からの推薦ポイントが得られる「190ビザ(州推薦)」や「491ビザ(地方暫定)」の方が現実的な選択肢となります。州ごとの職業リストや招待状況は変動するため、最新の募集条件に合わせて選ぶ必要があります。


Q. Diplomaまで進むべきですか?

A. 必ずしも必須ではありませんが、進学した方が有利になるケースが多いです。
技能査定(JRP)の基準自体は Certificate III で満たせることが多いですが、卒業後ワークビザ(485ビザ)の申請条件を満たすための通学期間(2年間)の確保や、将来的なビザポイントの加算、高度な診断技術・工場管理スキルの習得を目的として「Cert III + Cert IV + Diploma」のセットで受講するのが一般的です。


Q. 自動車整備士は本当に需要がありますか?

A. はい、オーストラリア全土で高い需要があります。 オーストラリア政府機関 Jobs and Skills Australia のデータでも、自動車整備士(Motor Mechanics)は人手不足が続く重要な職種として位置づけられています。ただし、「需要があること」と「個人の永住権取得」は別問題です。需要の高さを活かしつつ、ご自身の英語力・職歴・就職先エリアとビザ条件を合致させる戦略が必要となります。


主な参照元:
Jobs and Skills Australia: Motor Mechanics (General) Profile
・Trades Recognition Australia (TRA): Offshore Skills Assessment Program (OSAP) & Job Ready Program (JRP)
・Department of Home Affairs: Work in Australia & Skilled Visas

まとめ:オーストラリアの永住権を目指すならMirai Bridge

オーストラリアで自動車整備士から永住権を目指すのは現実的なルートですが、学校入学前の計画が不可欠です。事前に職業コードの確認、CRICOS登録コースの選択、学位の違いの把握、卒業後の就労計画、TRA技能査定要件の確認、189/190/491/186等の各種ビザ比較、州推薦やスポンサー条件の最新化など、全体の流れを把握して準備を進めましょう。

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