「オーストラリアで永住権を取得する方法は?」や「オーストラリアの永住権を取得するメリットやデメリットは?」などの疑問を抱えている方もいることでしょう。
今回は、オーストラリアで永住権を取得できるビザの種類やビザの申請手順を解説します。また、オーストラリアで永住権を取得するメリット、デメリットも解説するのでこれから永住権を取得しようか考えている方は参考にしてみてください。
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オーストラリアで永住権を取得できるビザの種類
オーストラリアで永住権を取得できるビザは3種類あります。
・技術独立永住ビザ
・パートナービザ
・就労ビザ
それぞれの特徴や必要な条件を詳しく解説します。
技術独立永住ビザ
技術独立永住ビザは3種類あります。それぞれの申請条件や取得費用、特徴は下記のとおりです。
永久ビザ申請条件 | 取得費用 | 特徴 | |
技術独立永住ビザ | ・45歳未満
・技能審査の合格 ・65ポイント以上 ・MLTSSL(技能職)リストの資格・技能を所持している ・IELTS6.0以上 |
約41万円(1豪ドル=96円) | スポンサーを必要としない自力で所得する永住ビザ |
技術指名永住ビザ | ・45歳未満
・技能審査の合格 ・65ポイント以上 ・MLTSSLとSTSOLリストの両方に記載がある ・IELTS6.0以上 |
約41万円(1豪ドル=96円) | オーストラリア州・準州よりノミネートされて申請する永住ビザ |
地方移住技術就労ビザ | ・オーストラリア州・準州か、地方の資格を持っている親族のノミネートが必要
・指定された職業リストから条件に合う場合のみ申請される |
約41万円(1豪ドル=96円) | ・技術者を必要としている地方に技術者を送るために設計されたビザ
・5年間のテンポラリービザが発行された後、一定の条件が揃えば技術地方永住ビザへの切り替え申請の対象になる |
技術独立移住ビザの取得はすぐにできるものではないため、目指される方は、事前に必要な資格や英語力を身に付けておきましょう。
パートナービザ
パートナービザとは、結婚してなくても事実婚の関係で、長期的にオーストラリアで過ごすためのビザです。結婚しているカップルの場合、結婚証明が必要になりますが、結婚していないカップルの場合は6か月以上同棲している証明が必要です。
パートナービザの申請は、subclasses820と801をセットで申請することになります。820は仮で、2年後に問題がなければ、801の永住ビザに変更できます。パートナービザの詳しい条件は下記の表を参考にしてください。
820は仮ビザ(暫定ビザ)を示し、820が発行されるとオーストラリアでフルタイムで勤務することが可能となります。海外への行き来も自由です。この状態で約2年に渡ってパートナーとの関係が続くと801を申請できます。
801は永住です。3年以上の関係を証明、もしくは2年以上の関係が証明可能である場合、2人の間に子供がいる場合など条件を満たせば、直接801を申請できることもあります。
申請条件 | ・結婚対象がオーストラリア市民、永住権保持者もしくは該当するNZ人であること
・オーストラリア国内で事実上の結婚関係(パートナー関係)を維持し、継続的にオーストラリアに居住する意思があること ・申請者とパートナーはお互いに熟知していること 申請者とパートナーは、18歳以上であること |
スポンサー条件 | ・オーストラリア市民、永住権保有者もしくは該当するNZ人であること
・永住保有者の場合、永住権取得から2年以上が経過していること ・過去2年以内にスポンサー経験がないこと ・家庭生活を送る経済的基礎があること ・過去に家庭内暴力の裁判記録がないこと |
※もし申請者に、以前のパートナーとの間に子がいる場合、手続きが異なります。
※パートナービザに申請する場合、申請する家族全員が健康診断を受けなければなりません。ただ、健康診断除外特例があり、治療費を自費で賄える経済力を証明した場合はこの特例を利用できます。
就労ビザ
就労ビザとは、スポンサーとなる企業からノミネートされる必要があるテンポラリー・ビザ(短期滞在ビザ)です。2年と4年の2種類があり、MLTSSLリストの職種の場合は4年、STSOLリストに載っている職種の場合は2年のビザを申請できます。
STSOLで永住権取得につながる職種は麻酔科医など医療系の専門職や会計士など士業系の専門職が挙げられます。この場合、永住するには技術指名永住ビザを取る方法が考えられます。
ビザ申請時に45歳未満であり、規定以上の英語能力があること(IELTS6.0点以上)や移民職業リスト(Skilled Occupations)に載っている技術者として技術査定に合格していること、移民局のポイントテストに合格していることなどの基準を満たすと参加できます。ただし、2年のビザの場合は永住権を取れる職種が限られていて大変難しいです。
オーストラリアで永住権を申請する手順
オーストラリアの永住権を申請する手順は下記の3ステップです。
1.ビザを選ぶ
2.ビザの条件を確認する
3.ビザを申請する
それぞれを詳しく解説します。
ステップ1.ビザを選ぶ
まずは、自分のプランに合ったビザを選んでください。仕事での永住ビザなのか、パートナービザが適しているのか調べてみましょう。
ニュージーランド国民の方は、永住ビザなしでオーストラリアに永住できますが、市民への一時的なSCVビザには、オーストラリアの永住者、または市民と同じ権利は付与されません。
ステップ2.ビザの条件を確認する
ビザの条件を満たしているか確認を行う必要があります。さまざまな種類のビザがあるので、各ビザにより求められる条件は異なります。年々、ビザの審査が厳しくなってきていますので、詳細は法律の専門家に相談ください。
また、その費用や条件などは頻繁に更新されますので最新情報を確認してみましょう。
ステップ3.ビザを申請する
適切なビザが見つかり、条件をクリア、必要書類が手元に揃ったら申請してください。法律の専門家に相談されている場合は、専門家の指示に従って申請しましょう。
オーストラリアの永住権を取得するメリット3選
オーストラリアは、温暖な気候や賃金の高さがよくメリットとして取り上げられていますが、ほかにもメリットはたくさんあります。オーストラリアの永住権を取得することで得られるメリットは下記の3つです。
・国民年金がもらえる
・社会福祉サービスを受ける資格が得られる
・生活の自由が手に入る
それぞれを下記で詳しく解説します。
国民年金がもらえる
オーストラリアでは、下記の条件を満たすと国民年金がもらえます。
・基本的には67歳から
・オーストラリアの永住権か市民権がある
・過去10年間オーストラリアに暮らしている
オーストラリアの国民年金は日本と異なり、積立式にはなっていないので、一定額を受け取ることができます。具体的な金額は下記の表を参考にしてください。
一人の場合 | 1ヶ月で約20万円(1豪ドル=96円) |
夫婦の場合 | 1ヶ月で約31万円(1豪ドル=96円) |
出典:Services Australia(How much you can get)
また、オーストラリアでは3つのテストによって受給額が変化します。3つのテストは下記の表を参考にしてください。
3つのテスト | 詳細 |
居住 | 合計10年以上オーストラリアに居住している必要があり、このうち少なくとも5年間は、居住を中断していない |
収入 | 自分とパートナーの収入源や厚生年金などの金融資産も査定して、トータルの収入リミット(約150ドル)を超えていない |
資産 | オーストラリア国外にある資産や債務など、トータルの資産リミット(持ち家あり約19万ドル、持ち家なし約33万ドル)を超えていない |
さらに、オーストラリアでは厚生年金の額も年々増加傾向にあるので、厚生年金もしっかり受け取れます。ただし、厚生年金を受け取ると国民年金の受給額は下がります。
社会福祉サービスを受ける資格が得られる
オーストラリアの永住権を取得してから2年経過すると、さまざまな社会福祉サービスを受ける権利が得られます。オーストラリアの社会福祉では、下記のような金銭的なサービスとお金以外のサービスを提供しています。
・失業保険
・生活保護費
・最初の家を購入するときの支援金や補助金
・子供が生まれたときの支援金や補助金
・家族構成や収入に応じた税の優遇
・住宅の提供
・子供や老人の介護が必要な家へのアドバイスやサポート
社会福祉サービスを受ける条件は厳しくなっています。例えば、老齢年金の受給条件は2017年7月までは女性で60歳6ヶ月からでしたが、現在は男性と同じ65歳まで引き上げられました。ただ、それでもかなり制度が整っている国といえるでしょう。
生活の自由が手に入る
オーストラリアで永住権を取得すると下記のような生活の自由が手に入り、日本にいるときと同じ水準で生活ができます。
・起業できるようになる
・再入国ビザを5年ごとに更新すればいつでも何回でも出入国を繰り返せる
・教育を自由に受けられる
・家の購入ができるようになる
さらに、ローンの審査にも通りやすくなるので高額な家や車を購入しやすくなります。
オーストラリアの永住権を取得するデメリット2つ
国民年金がもらえたり、社会福祉サービスを受けられたりするなど、メリットが多く感じる一方で、デメリットも2つあります。
・病院受診に時間がかかる
・物価が高い
それぞれ詳しく解説します。
病院受診に時間がかかる
オーストラリアでは、どんな症状であってもまずは総合病院で受診しなければいけません。専門性の高い治療が必要だと総合診察医が判断した場合のみ、専門医や病院が紹介される仕組みです。
そのため、日本のように風邪をひいたら内科、肌のトラブルなら皮膚科というように症状ごとに受診する病院を自分で選べません。
さらに、総合診察医の受診は予約制になっているため、気軽に利用できません。
物価が高い
オーストラリアは賃金が高いことで有名ですが、それと同様に物価が高いことでも有名です。自国で生産できる食材は高くないですが、輸入コストがかかる衣料品や雑貨、加工食品などは日本の約2倍の価格で売られていることがあります。
さらに、オーストラリアの外食は金額が高いといわれており、ランチでも2,000円を超えることは当たり前です。ディナーに関しては、3,000円からが相場です。
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まとめ
今回はオーストラリアの永住権を取得する方法やメリット、デメリットを解説しました。オーストラリアの永住権を取得できる方法は限られているので、自分がどれに当てはまるか確認してから準備を進めていきましょう。
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